販売員は売り上げるために質が多少悪くても売ってしまう。買い手は質が高いかわからないのに買ってしまう。悪い質の物が市場で淘汰されない。
帽子やコートを買うのに迷っている人がいます。「どこどこの上質な繊維を使用している」、「どこどこ産なのできれいな水でつくられた長持ちする生地」という購入したくなるセールストークに、高価なものを購入したくなってしまうのです。しかし、迷っていると、『粋なセールスマン』は「そんなに迷うぐらいなら、帽子は買わなくていいよ。手ぬぐいでも巻いときな」と突き放します。粋な文化の復活です。判断に迷っている客に付き合っている暇はないセールスマンは、しつこく売ろうとしません。信念を貫き、物の良さを瞬時に見抜けない人には興味がない、と言わんばかりです。こんなテンポの良い会話がお店でやり取りされている、これこそ生活者のものの見る目を鍛え上げ、かつ無駄の少ない販売が実現する粋な文化の上に花開く市場なのです。
無駄なモノを買わなくなる。質が高い製品が販売される。
無駄なモノが削減される。